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DRAM,ASIC, プロセッサなどのデバイスディメンションがナノメートルオーダー以下に縮小するにつれ、層間絶縁膜の平坦化技術であるCMP(Chemical
mechanical Polishing)は、次世代半導体プロセスのキーテクノロジーの1つとして重要性を増している。
現在は、膜厚の制御だけでは不十分で、欠陥や膜密度などの膜質の管理が求められている。これらの膜特性を高品質に保つためには、CMPプロセスの科学的な理解が必要である。半導体製造プロセスの過程及び結果をプロセスパラメーターと関連付けて測定することは、プロセスの理解と管理のために非常に重要である。
CMPは熱拡散による酸化膜形成と比べて、はるかに複雑な物理化学的、機械的プロセスである。 それは決定論的でもあり、確率論的でもある。したがって統計的解析が行えるほどの大量のデータが必要である。
株式会社ユーレカ(Heureka.,Co.,Ltd.)は、従来からの1点測定式のエリプソメータの数10万倍のスループットとデータ測定点数を実現している2次元測定型のエリプソメータを開発した。そしてそれによってCMP研磨後の酸化膜の膜厚と屈折率の同時測定を行って、興味深い統計的結果を得た。
図1,2は150oφシリコンウエハー上に形成した膜厚約1.5μmのPTEOS膜をCMP装置によって約8000Åまでに研磨した結果の膜厚と屈折率(127,000点)を画像として表示したものである。
図3,4は膜厚と屈折率のフーリエ変換による空間周波数のスペクトルである。膜厚分布(図1)にみられた繰り返しのパターンがスペクトルの周期的なピークとして表現されている。(図3) 一方、屈折率のスペクトル(図4)で特徴的なことは、分布が高い周波数まで伸びていて、いくつかの不連続なピークを持っていることである。この特徴はプロセスにおけるメカニカルな原因による膜質欠陥の発生の程度によって影響される。 このようにして膜厚のムラや欠陥分布などのサンプルの特性を定量的に表現できるようになった。
Fig.1 Fig.2
図1,2に戻って、一見して屈折率と膜厚が相似したパターンを持っていることに気がつく。すなわち膜の厚いところでは屈折率は小さく、膜が薄いところでは屈折率が大きい。このサンプルの密度を、Lorentz_Lorenzの式を使って屈折率から計算すると、膜の密度と膜厚の関係は1次式であらわされる互いに強い負の相関関係にある。(図5)
もちろん本来、屈折率と膜厚とはまったく独立の変数であって、熱酸化膜などではこのような相関関係は観測されない。この現象に対する一つのもっともらしい解釈はサンプル面内で研磨圧力が一定でなかったと考えることであろう。一般的に研磨圧力と研磨レートは正の比例関係にある。
( Preston Equation ). PETEOS はデポジットした酸化膜より格子間隔がゆるいので サンプル面内のある個所に局所的に大きな圧力がかかれば、その個所は研磨が進み膜厚は局所的に薄くなり、密度は高くなる。
このように、2次元測定型のエリプソメータによる大量のデータの測定と解析は、薄膜とそれを形成するプロセスにかんする新しい評価手法を提供している。そしてそれはまた、薄膜とプロセスに存在する確率論的性格を明らかにする。
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