HR4000K測定データ 本文へジャンプ
同一のチャンバーで成膜したGeO2とSiO2の膜厚の解析

 薄膜の成長は、堆積手法、飛来原子、プロセスパラメーター、基板の結晶方位などに依存しています。

 拡散種であるガス分子基板へ衝突するとき単位体積あたりの分子数(ガス分圧および衝突エネルギー温度衝突を規定するプロセスパラメーターです。これらプロセスパラメーターチャンバー内で一定に保つことが均一な膜を作るために重要です。

 現在はこれらプロセスパラメーターチャンバー内で3次元的に直接測定する手段は存在しませんが、成膜によって得られた薄膜の物理量の不均一性を測定することは、チャンバー内のプロセスパラメーターの均一性の指標となるでしょう。

装置内部パラメーターの不均一性は膜厚や屈折率などの物理量のウエハー面内での大域的な非対称性の主な原因と考えられます。

 一方、基板の表面粗さや結晶欠陥など基板に存在する局所的なラフネスはミクロの非対称性の原因となります。

 図は同じ成膜装置で成膜したGeO2とSiO2の膜厚測定データです。図の上部は実領域、下部は2mm角の部分のFFTを行ったデータです。2次元fftの結果を立体表示した図、および自己相関関数も表示しています。
膜厚の実領域分布に見える孤立した異常点は周波数解析ではわずかな影響しか及ぼしていません

この2つのサンプルの周波数領域のデータを見ると、1mm前後の波長領域に振幅が大きな値を持つ共通の塊が存在します。一方、GeO2には高周波成分が存在します。
 Fourierスペクトルに特徴的なパターンが現れるときは、何か法則的な不均一性の原因が存在することが疑われます。

前者はナノトポグラフィに相当する波長領域であり、後者はラフネスに相当する波長領域です。